『野獣郎見参 Beast is Red』


QED 式の密室』を読んだときのエントリーで、
劇団☆新感線『野獣郎見参』というお芝居について書いたら
無性にこれが観たくなり、
勢い、DVDを購入してしまいました。


この芝居、'96年の初演のときに劇場まで観に行ったのですが、
開演から1分もしないうちに、
その圧倒的なまでのカッコ良さに、
僕は思わず声を上げていました。

劇団☆新感線のお芝居は
”ロックと演劇の融合”というコンセプトどおり、
音楽や照明の使い方がまるでコンサートのようで、
今まで僕が持っていた演劇観を根底から覆すものでした。
アクションシーンもものすごい迫力で、
演劇青年だったころの僕は
ずっとこういうお芝居をやってみたいと思っていました。


ちなみにこのお芝居の脚本を書いている中島かずき氏は
天元突破グレンラガン』というアニメの
脚本を担当しているそうです。
僕は観たことないのでどんなアニメかわかりませんが。


今回手に入れたDVDは'01年の再演時のもので、
主人公、野獣郎役が
橋本さとし氏から堤真一氏に変わっています。
僕はさとしさん演じる野獣郎が大好きだったので、
一抹の不安が拭えなかったのですが、
youtubeやニコ動でちょっと見てみたところ
わりと良かったので購入に踏み切りました。


物語の舞台は、安倍清明の死から
およそ二百五十年後の京の都。
都を護ってきた”晴明塚”が破壊され、
魑魅魍魎が跋扈する時代。
物語は、
あやかし退治に賭けられた賞金を目当てに
京に現れた物怪野獣郎(もののけやじゅうろう)が、
芦屋道満の子孫である芥蛮嶽、
その妻、美泥らとともに
陰陽頭・安倍西門の依頼を受け、
あやかしの王、”道満王”の退治をもくろむ、
といったお話です。


堤真一氏演じる野獣郎と古田新太氏演じる芥蛮嶽が
これでもかってぐらいカッコ良いんです。
最近のドラマでしか彼らをご存じない方は、
彼らの、特に古田新太氏のTVでは見られない演技に
驚かれるのではないかと思います。


西洋のファンタジー、”剣と魔法の世界”も好きですが、
僕はこういう日本のファンタジーも大好きです。



『男は殺す、女は犯す、
 金に汚く、己に甘い
 傍若無人の物怪野獣郎
 命のいらねぇ奴ぁ
 かかってきやがれ!』


D


演劇は人によって好き嫌いがはっきりするので、
なかなか人に勧められないのですが、
うちの娘っ子は気に入ってくれそうな気がする。
なんたって小学校5年生で『里見八犬伝』読んでたぐらいだから。
機会があったら見せてあげたいなぁ。