『とらドラ!(9)』


待ちに待ったとらドラ!の9巻。
昨晩のうちに購入、一気に読み終えました。


この巻で完結だと勝手に思い込んでたんですが、
まだ続きますか・・・そうですか。
また、次は何ヶ月も待たなければいけないんですね。
正直、きついです。


今回は完結に向けて話を盛り上げるためか、
唐突に出てきたイベントが多かったような感じがして、
僕としてはちょっと残念な部分もありましたが、
某漫画家さんの云う通り
”もう少しこうだったらなぁ”的な感想って
嵌ってる証拠ですよね。


この物語のキャラクターたちには感情移入しまくりで、
思わずニヤけてしまうぐらい微笑ましくなったり、
もどかしくてイライラしたりしてしまいます。
そんな彼らに一番云いたい事。


”気持ちはわかる。
 でも、君たちは自分の好きな人へ想いを伝えるのに、
 そんな方法で本当に良いのか?”


僕は、誰かに伝えたくても伝えられなかった想いや言葉は
存在しなかったのと同じだと思っています。
それは恋愛に限らず、です。
伝えないと決めるなら、
それくらいの覚悟はしようと思ってます。


この物語の中の彼らは、誰かを傷つけまいとして
自分の気持ちを伝えようとしません。
でも、結局、”間接的に”伝えてしまっているのです。
相手を傷つけまいと思いやる彼らの言動が
ときに、相手を傷つける事で傷つく自分から
逃げているように見えてしまうのは僕だけでしょうか。
なので、この巻の最後の大河や、
(やり方はともかく)6巻の北村の覚悟には
心を打たれました。


傷つけても良いから伝えてしまえ、
と云ってる訳ではありません。
伝えるのか伝えないのか、
はっきり決めろと云いたいのです。


と、ついつい激昂してしまうほどに、
夢中になって読みました。
相変わらず面白いです。
10巻で完結かなぁ。
なるべく早めに10巻をお願いします、
いや、マジで。



『だから、聞こえた声を
 なかったことにはされたくなかった。
 忘れることもできなかった。
 大河の声が、本当の声が、
 竜児はずっと聞きたかった。』

とらドラ!〈9〉 (電撃文庫)

とらドラ!〈9〉 (電撃文庫)