『狼と香辛料』
タイトルに惹かれて読み始めた、この『狼と香辛料』。
表紙のイラストからか、なんとなく勝手に
「中世ヨーロッパ的なファンタジーもの」
をイメージしていたのですが、
完全に予想を裏切られました。良い意味で。
いや、正確に云えばこの物語は
「中世ヨーロッパ的なファンタジーもの」なのでしょう。
ですが所謂「剣と魔法の世界」のお話ではありません。
行商人のロレンスと狼の化身である少女ホロが
共に旅をする物語です。
ロレンスは行商人として、商いの場で戦っていきます。
そこにはファンタジーものにありがちな
派手な戦闘シーンやアクションシーンはありません。
この物語の魅力は、
ロレンスとホロの思わずにやけてしまうようなやりとり、
商人同士の巧妙な駆け引き等
”会話”の中にあると思います。
この本を読んでいると、麦の香りが漂ってくるような、
本当に柔らかくて温かい世界に入り込めます。
本を読んでいてこういう気分になったのは、
久しぶりかもしれません。
『わっちはぬしと旅がしたい。ダメかや?』
- 作者: 支倉凍砂,文倉十
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/02
- メディア: 文庫
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