『同窓会』

昨日、中学の同窓会に行って来ました。
その頃からの友人で今でも付き合いがあるのは二人だけで、
それ以外は卒業以来という状況だったので、
当初は断るつもりだったのですが、
友人の強引な誘いと、怖い物見たさ的好奇心に屈し、
参加することと相成りました。


会場のバーに入った途端、
”なんとなく覚えている人はいるものの、
 確信を持ってそれが誰か云えるほどの人は
 ほとんどいない”という
アウェイ感たっぷりの雰囲気に呑まれた僕は、
これは勝ち点1を拾うのが精一杯だと判断し、
隅っこの方で適当にニコニコしているという
弱気な戦術を決め込んでいました。
元来、中学時代の僕は
取り立てて目立つキャラの子でもなく、
僕のことを覚えている人などいないと
高を括っていたのですが……


宴が始まって30分くらいした頃でしょうか、
一人の男性が
”俺のこと、覚えてる?”
という、真っ向勝負な台詞とともに
僕に近寄ってきました。


なんだ?試されてるのか、僕は?上等じゃねぇか!
ボールは友達!こわくなんかないさ!!
老化とお酒で鈍った脳から記憶を引きずり出し、
一か八かの選択。


”昔、一緒に映画を観に行った○○君でしょ、覚えてるよ〜”


キャプテン翼』第10巻のタイトル、
『炎のカウンターアタック』を向こうに回す、
明和ディフェンスもまっつぁおの反撃を試みたところ、
それがビンゴ。


”良かった〜、覚えててくれたんだ〜”という
望外のリアクションを引っ張り出すことに成功しました。
しかし、ほっとしたのもつかの間、
それから皆が堰を切ったように席を立ち、
”K2君、変わってないね〜”とか”K2,久しぶり!”とか
これが明和名物スライディングタックル部隊かっ!
と見紛うばかりの全方向ロックオン。
あげく、”私、K2君と幼稚園も一緒だよね〜”なんていう
タイガーショットを放つ人まで現れました。
とどめは、途中参加の女の子が会場の扉を開けるやいなや、
”うわ〜K2君来てたんだぁ〜私のこと覚えてる?□□だよ□□
 えっ覚えてないのひどいなぁ〜
 でもそうだよねおんなじクラスになったこと無いもんね〜”
それ、なんてファイヤーショット
と云いたくなるような一撃をくれたり。
ホントに失礼千万ですが、
全然思い出せませんでした。
ごめんなさい。
っていうかなんで君は僕のことをご存じなのですか。


結局、1時間くらいで帰る予定が、
5時間ほど大騒ぎしてしまいました。
みんなが僕のことを覚えていてくれたことに
ちょっとうかれ気分でロックンロールな足取りで
家に帰ったのですが
帰り道で、ふと、気付いた現実。


ひょっとして僕は中学の頃、
みんなに嫌われてたから覚えられてたんじゃないかい?


……………。
…まぁでも楽しい宴でした。


次の機会も……誘ってもらえるよね?ね?


あ〜、酔っ払った。