『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』


僕は2日に一度は本屋さんに足を運んでいます。
僕にとって、本屋さんは最も誘惑の多い場所の一つです。


昨日、本屋さんに行ったところ、
今現在、僕の一番のお気に入りの作家、
西尾維新氏の新刊が2冊も並んでいました。
このところ慢性的な金欠なのですが、
西尾維新氏の新刊を見つけてもなお、
買うのを我慢できるほど、僕は強くはありません。
そっこー2冊とも購入。
誰か僕にも公的資金を注入して下さい。


まずは
不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界
から読み始め、一気に読了。
この『世界シリーズ』、これで4作目なのですが、
読み終えた後、
もれなくメランコリックな気分にさせてもらえます。
(3作目はそうでも無いかな)


今作の主人公は『世界シリーズ』2作目
不気味で素朴な囲われた世界』と同じ串中弔士くんです。
舞台は2作目から14年後、弔士くんも27歳になってます。


この『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』、
出版社側は本格ミステリと銘打ってますが、
僕はこのお話はミステリではないと思います。
読者をミスリード(mislead…misread?misleadだ)
していく文章はもちろんミステリのそれですが、
どちらかというと
弔士くんのキャラクター小説といった感が強いかな。
ただ、今回はボリュームも少なく、
シリーズ初期にくらべると
ちょっとパワーダウンしたように感じます。
病院坂迷路についてとか、
弔士くんの大恋愛についてとか
もっと掘り下げてくれれば良かったのになぁ。


それでも、西尾氏らしい面白さに溢れたお話でした。
氏の描くキャラクターは誰も彼も魅力的で、
よくもここまで多彩なキャラクターを作れるものだと
感嘆してしまいます。


次作が『世界シリーズ』完結編との事。
僕のお気に入りのキャラ、
病院坂黒猫さんのお話らしいので、
期待して待ってます。


『ぼくはもう駄目だけれどーーそれでも。
 それでも世界が平和であるよう、祈りながら。』



ミステリ好きの方は、いわゆる
”フーダニット(Who done it)”とか
ハウダニット(How done it)”
の部分を楽しみにミステリを読んでいるですかね?
僕はあまりそこに興味が持てなくて、
ホワイダニット(Why done it)”ばかりが
気になってしまいます。