『ファイト・クラブ』


実家で晩ごはんを食べたあとにTVを見ていたら、
ちょっとカッコいい映像・演出の映画が始まりました。
新聞を見て調べたらファイト・クラブという映画でした。


”じゃあの”とかのたまう元チャンピオンのボクサーが
ボクシングを通じて不良を更生させる感動巨編……
ではありません。


ブラッド・ピットの主演した『セブン』、
ジョディー・フォスター主演の『パニック・ルーム』の
デヴィッド・フィンチャー監督の作品です。


僕は普段、ほとんどTVを見ないのですが、
映像と音楽のカッコ良さに惹かれ、
面白そうだったらDVDを借りてみようかな、
と思いながら軽く眺めているうちに、
結局最後まで観てしまいました。


Wikiにあったあらすじを前半部分だけ抜粋してみます。


若きエリート青年である主人公は不眠症に悩まされていた。
彼は自宅の高級コンドミニアムに、
モダンな家具やインテリア、
ブランドの衣類など、
雑誌に出てくるような完璧な生活空間を実現するが、
精神の方は一向に落ち着かない。
世の中にはもっと苦しむ者がいるという
精神科の医者との雑談をヒントに、
末期ガン患者などの自助グループに偽患者として通ううちに、
症状は回復に向かうかに見えた。
しかし同様に偽患者として互助グループのハシゴを行う、
どう見ても不治の病を患っているように見えない女性、
マーラと出会うことで再び不眠症が悪化してしまう。


そんなある日、出張中に自宅が爆発事故に遭う不幸が起こり、
家もブランド品も全てを失った主人公は、
出張途中の機内で知り合った
タイラー・ダーデンに救いの手を求めた。
タイラーは、彼が今までに出会った事のない、
カリスマとユーモアあふれる危険な男だった。
タイラーはバーを出た後、駐車場で主人公にある頼みをする。


「力いっぱい俺を殴ってくれ」。


殴り合いでぼろぼろになった二人は痛みの中で
生きている実感を取り戻した気になった。
見ていた酔客の中に殴り合いに混ぜてくれという者が現れ
大勢の男達が集まる秘密のファイトが行われるようになった。
タイラーはこれを”ファイト・クラブ”と呼び、
全員が公平に殴り合いに参加するためのルールを作っていった。


これだけだとものすご〜くバイオレンスな映画な感じですが、
カタルシスに溢れた、とても美しい作品でした。
僕自身、不眠症に悩まされていたことがあったので、
ずっと自分と主人公を重ねて観ていました。



この映画に関してはこれ以上ネタバレを書くのは控えますが、
ラストシーン、
主人公と、彼の自己嫌悪の投影としてのマーラ、
二人が初めて手を取り合った後、
二人の背後の窓から見える光景。
圧巻の、驚愕のラストシーンでした。
最後の最後まで全く予想のできない展開でした。
これが9.11の前に作られた映画だとは、とても思えない。


ハッピーエンドと受け取るか、
バッドエンドと受け取るか、
この映画を観た人それぞれに違うでしょうが、
僕にとっては、
とても哀しくて、そしてとても美しいハッピーエンドでした。



『俺を信じてくれ。
 これからはすべて良くなる。
 出会いのタイミングが悪かった。』