『QED 式の密室』

QEDシリーズ』第5弾、QED 式の密室』
第6弾の『QED 竹取伝説』を先に読んでしまっていたので、
ようやく追いついた形になりました。


今作は日本史上最高の魔術師、
安倍晴明と、
彼ら陰陽師が使役した、式=式神がテーマです。
陰陽師にとっての式神は、
西洋の魔法使いにとっての”ファミリア”みたいなものになるのかな。
(”キキ”とっての”ジジ”です。)


安倍晴明というと、映画や漫画にもなった
夢枕獏氏の小説『陰陽師』が一番メジャーかと思いますが、
僕の中では劇団☆新感線
『野獣郎見参!』
というお芝居の中で出てくる
安倍西門=安倍晴明が一番印象深く、
”白塗りの麿”みたいなイメージなので、
ライバルの芦屋道満の方が好きだったりします。



余談ですが、
(というか僕のBLOGは余談しか書いてない気もしますが、)
夢枕獏原作、野村萬斎主演の映画
陰陽師』の中で使われた着物を見たことがあります。
画面を通して観るより遙かに美しかったそれを前にして、
思わず立ち尽くしてしまいました。
(当時の僕の彼女は、それに袖を通したそうです。羨ましい。)


陰陽師陰陽道、には昔から興味があったのですが、
このQED 式の密室』のような解釈は
今までに見たことがなかったので、とても新鮮でした。
式神についてもそうですし、
陰陽師と”タタラ(製鉄)”の関係についての解釈も面白かった。
タタラは高橋克彦氏の『竜の柩』でも
古代神話との関係が指摘されていて、
一度ちゃんと勉強してみたいと思いました。
そういえば『もののけ姫』でも物語に関わってましたね。


僕は陰陽師とか、魔術師とか、錬金術とか、
こういう超常的なものへの憧れが強いです。


普通の人間には興味ありません。この中に……


また余計なことを書いてしまった。


ですが、この本の中で、主人公の崇が云っているように、
事実に立脚してこその憧れ、浪漫でなければならない
と思ってます。


夜空に光るもの全てをUFOだと思うのではなく、
あれは流れ星、人工衛星超新星爆発
そうやって事実を捉えたその上で、
UFOである可能性を探していきたい。
それが本当の浪漫だと思ってます。


『鬼や神、だ。
 常に、神よりも鬼の方が先にくる』


QED 式の密室 (講談社ノベルス)

QED 式の密室 (講談社ノベルス)