『FCバルセロナ』


サッカーを見始めて、最初に好きになったチームは
イタリア、セリエAACミランでした。
その後、オランダのアヤックス
そして今はスペインのFCバルセロナ
云いかえれば、ACミランは初恋の人、
アヤックスは、手の届かない憧れの人、
バルサは本命の彼女、みたいな感じですかね。
わかりづらい表現ですが、
わかる人にはわかってもらえるんじゃないかな。


そのFCバルセロナ
今期は国内リーグもチャンピオンズリーグも絶好調、
戦績だけでなく内容も素晴らしいと聞いて
サンチャゴ・ベルナベウでの”クラシコレアル・マドリー戦、
先週行われたCL準決勝チェルシー戦の2nd Leg、
2試合まとめて観てみました。


まずはレアル・マドリー戦。
勝った方がリーグ制覇と云っても過言ではない、
異様な雰囲気の中で行われた”クラシコ”は
まさに”バルサ・サーカス”。
これほどまでに美しいフットボールを見たのは初めてでした。


人数の揃った守備陣を切り裂いていく、
細かく多彩なパスワーク。
リスタートから3タッチ以内のゴールが大半を占める
モダンフットボールの戦術の中で
20本、30本のパスを平気でつないでいく。
しかも、それをマドリー相手に。
結果は6‐2でバルサの圧勝。
現地スペインのスポーツ紙『スポルト』は
バルサの選手全員に10点をつけたそうです。
圧巻の90分でした。


そしてチェルシー戦。
こちらも凄まじい試合でした。
サッカー界最高峰のプレイをみせるバルサ
サッカー界最高峰の戦術家ヒディング
完全に封じ込めてしまいました。
試合終了直前までは。
無理にボールを取りにいかず、
引いて守るわけでもなく、
しかし、大事な局面では絶対に通さない。
そしてドログバを中心とした攻撃陣の、
”狙撃”と云っていいほどに的確なカウンター。
これは勝てないな。
ロスタイムに入ってスタジアムのバルサファンも、僕も、
バルサの監督、ペップでさえ諦めかけていたようにみえたそのとき。


イニエスタの右足が一閃。


凄まじいミドルシュートがゴールに突き刺さりました。
解説の金子達仁氏曰く、
”1点づつしか入らないサッカーにおいて、
 例外的に存在する2ランホームラン”で、
バルサがCL決勝に駒を進めました。


Jリーグが始まる前から
ヨーロッパのフットボールを見ていた僕は
歪に目が肥えてしまい、
なかなか90分間楽しめる試合に出会えないのですが、
この2試合はまさしく極上のエンターテイメント、
あっという間の90分でした。


そして、バルサが描くフットボールの美しさ。
昔の強豪チームを
それほどたくさん知っているわけではありませんが、
僕も金子氏と同じ感想を抱きました。


27日はCL決勝。
バルサの相手は昨年の覇者、マンチェスターU
素晴らしい試合を、
そしてバルサの選手がビッグイヤーを掲げる姿が見られるのを
期待しています。


『歴史上最強、といっていいんじゃないでしょうか』


試合そのものも面白かったのですが、
実況:倉敷保雄氏、解説:金子達仁氏で見るサッカー中継は
本当に面白い。
民放の五月蝿いだけの実況、応援しているだけの解説には
どうにも馴染めません。
10年前にスペイン・リーグを見始めて以来、
この二人の実況・解説が病みつきになってしまいました。