『幻影のペルセポネ』

娘っ子と本屋さんでデートしたときに購入した本。
1ヶ月くらい前、たまたま手に取った
黒田研二氏の別の作品の帯に書いてあった作品紹介を見て以来、
ずっと読んでみたいと思っていた本が、
ようやく手に入りました。


Amazonのあらすじを引用します。


気鋭のプログラマー各務秀則は、なぜ殺されたのか?
尊敬する先輩の死の謎を解くため、
ネット上に構築された電脳空間
「惑星ペルセポネ」にログインした来栖正孝は、
秀則が「ペルセポネ」で操っていた分身「ノリリン」もまた
仮想世界の中で惨殺されていたことを知る。
やがて「ペルセポネ」の美少女「メグ」とともに
犯人探しを開始した来栖を、
虚実の世界を往来する巨大な悪意が襲う。


”電脳空間と現実世界がリンクしている物語”は
最近よく見かける、まぁ、ベタなネタだとは思いますが、
僕はこのてのサイバーパンク風のお話が大好きで、
大きな期待を持って読み始めました。


だったのですが…う〜ん。


サイバーな部分もミステリーの部分も
中途半端というかあっけなさ過ぎるというか。
なんとなく、ネットとかに実体験としてあまり詳しくない人が
”電脳空間とかミステリーの舞台にしたら面白いんじゃね?”
みたいな発想で書いたような”ぬるさ”が漂ってます。
(実際、黒田氏がこの分野に詳しいのか疎いのかはわかりませんが)
大塚英志氏が云うところの
”文学ならO.K.だけどアニメやラノベだとぬる過ぎ”な設定。
突っ込みどころがいっぱいなんです。


宮部みゆき氏のファンタジーとかもそうですが、
こういうのって読み手の経験値に依るところが大きいのかな。
たまたま僕がこういう類の作品が好きで、
いくつか似たような設定の作品を読んでいたからかもしれませんが、
もう少し深い舞台設定、状況を作って欲しかったな。
キャラクターの性格もいまいちはっきりしないし。


ずっと探していた本だったし、
娘っ子とのデートで買った、
ある意味、記念の本だったんだけどなぁ、ちょっと残念。


『‐‐僕は知っている。
 四ヶ月前に不審な死を遂げたヒデ兄ちゃんが、
 実は《魔性の女》に殺されたのだということを。
 僕は《彼女》を見つけ出し、
 そのマスターに復讐しなくてはならない‐‐』


幻影のペルセポネ

幻影のペルセポネ