『明日の広告』


”TVのCMを作る人”になりたいと思っていた時期がありました。
ある商品を、長くても1分程度、短いときは15秒で、
できるだけ深く人の記憶に刻み込む。
その頃の僕には大好きだったCMがあり、
自分もこういうものを作れるようになりたいと思っていました。



以前、仕事で新聞の折り込みチラシを作った事がありした。
当時、僕は店舗での接客・営業をしており、
自分のお店にお客さんを呼び込むために行ったものでした。
予算も少なく、限られた部数の、
しかも素人の僕が作るチラシで
どれだけの効果を上げる事ができるか。
奇跡的に、望外の結果を出す事ができたのですが、
広告を作るという事がどれほど難しいかを知りました。
それでも、この経験は僕にとって本当に刺激的なものでした。
自分の作ったチラシを持ったお客様が来たときの、
あの驚きと喜びは、
今でも忘れられません。


この本は、インターネットの普及で激変した、
広告業界と消費者について書かれたものです。
ここに書かれている内容は、広告業界の方だけでなく、
僕のような接客業・営業をかじっただけの人間にとっても
知っていて当たり前の事が大半だと思います。
ですが、この当たり前の事ができていない人が本当に多い。
もちろん、僕もその中の一人でしょう。


自分の伝えたい事を、伝えたい相手に、どう伝えるか。
そのためにしなければいけない事は何か。


広告に限らず、人に何かを伝えるという事は、
本当に難しい事だと思います。



『よく使われる比喩ではあるが、
 ボクは、広告は消費者へのラブレターだと考えている。
 「ボクとつきあってください!
  ボクはあなたをきっと幸せにします!」という、
 消費者への強い口説きだと思っているのだ。』