『少年たちのおだやかな日々』


”後悔しないような人生はダメだ”
昔、親父様に云われた言葉です。
続けて曰く、
”後悔しなければ反省もしないし、
 反省しなければ成長もしない”
だそうです。
当時、くそガキだった僕にはとても印象的な言葉でした。
まぁ、云った当人は酔っぱらっていたので
まるで覚えていないでしょうが。
なんせ、酔っぱらうと息子の女友達だろうが
平気で口説こうとする御仁ですから。


僕は本を買うとき、背表紙や表紙裏の解説、
後書きを読んで買うことが多いです。
そこにネタバレなんかがあっても全然気にしません。
気に入った本なら二度三度と平気で読むタイプなので、
ネタバレ程度で面白さが損なわれるようなら
最初から手を出しません。
酷いときにはラストシーン辺りを
ちょろっと読んでから買ったりもする邪道者です。


ただ、この本の著者、
多島斗志之氏の別の作品を読んだことがあり、
それがとても面白かったので、
あまり深く考えずに購入したのですが……


久しぶりに失敗したなぁ。
(この本のファンの方がいたらごめんなさい。)


以前に読んだ、
『海賊モア船長の遍歴』が本当に面白かったんですよ。
なんで、期待して読んでみたんですが……
正直に云います。


何だ、これ。


贔屓目に見積もっても
”すんげぇチープな『世にも奇妙な物語』”。
ジャンルとしてはホラーになるんですかね。
ホラー系はあまり読んだ事がないのですが、
あまりにリアリティが無さ過ぎて、
怖さも臨場感もまるで感じない。


なんかいろいろ損した気分になってしまいました。
慣れない事はするもんじゃないですね。
親父様、後学の為に後悔してみようと思います。


と、今、調べてみたらこの本、
世にも奇妙な物語』の原作になってたみたいです。
ドラマはどうだったんだろ。



『…明彦は後悔した。
 すなおにアイロンで足の裏を焼いておけばよかった。』


少年たちのおだやかな日々 (双葉文庫)

少年たちのおだやかな日々 (双葉文庫)

海賊モア船長の遍歴

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