『フェルメール - 謎めいた生涯と全作品』


中学生の頃、修学旅行で
箱根の彫刻の森美術館に行った時のこと。
前日のディズニーランドにくらべて
テンションだだ下がりだった僕は、
しかし、ピカソ館に入った瞬間、
とてつもない衝撃を受けました。
その圧倒的な迫力にその場で立ちすくみ、
全身に鳥肌が立ったのを
今でもはっきりと覚えています。
それ以来、美術館に通うようになり、
画商を仕事にするきっかけにもなった出来事です。


このところ、なんとなくフェルメールの作品を
目にする事が多いなぁと感じていました。
で、調べてみたら、
ここ10年で8回もフェルメール展が
開催されているそうです。
僕の住んでいる地域でも最近展示会があったのか、
本屋さんにフェルメール絡みの著作が
たくさん並んでいました。


浅学な僕は『真珠の耳飾りの少女』ぐらいしか
彼の作品を知らなかったので、
彼について学ぶ良い機会だと思い手に取ったのがこの本。


たった30数点しか現存しない作品数、
サルバドール・ダリがその著作の中で
ダヴィンチやピカソをこえる評価を与えた才能、
盗難・贋作など枚挙に暇がないスキャンダラスな挿話。
なにより、300年以上前の作品とは思えないほど現代的な
カメラワークのような構図。


なるほど、彼の作品に多くの人が惹かれる理由が
少しわかった気がします。
(気がするだけです。多分、ホントはわかってません)


僕はポートレート的な絵はあまり好まないのですが、
真珠の耳飾りの少女』は素晴らしい作品だと思います。
さすが”北欧のモナリザ”と云ったところでしょうか。
差し色の青が本当に美しい。


真珠の耳飾りの少女



画商を辞めて以来、
美術館に行く機会も減ってしまいましたが、
久しぶりに足を運んでみたいという気分になりました。


なんとなく、ノーマン・ロックウェルの作品は
フェルメールの影響を受けているんじゃないかと思うのは
僕だけですかね?
良い比較対象が見つからないのですが・・・・・・



『デルフトのスフィンクス