『QED 百人一首の呪』

図書館で借りてきた本、第2弾。
歴史ミステリが続いたのは、十全の偶然。
京都に行った影響か、
ちょっと和な感じのお話を選んでみました。


このQED 百人一首の呪』
前述の『写楽殺人事件』と同じようなテイストで
百人一首に秘められた謎を追いかけていくお話です。


稀代の天才歌人藤原定家が編纂した『百人一首』に
何故、駄作と云われる歌が撰ばれているのか、
百人一首』のプロトタイプ、
『百人秀歌』は何故101首なのか、
何故、異なる3首を撰んだのか、
百人一首』という言霊に込められた『呪』とはなにか。


これらの謎を解き明かしていくプロセスは、
まさに知的パズルといった趣で、
ぐいぐい惹き込まれてしまいました。
昨日と同じく、殺人事件のトリックは、
ミステリに疎い僕が読んでも
”そりゃなくね?”みたいな感じで、
百人一首の謎だけを追ってくれれば、
より面白かったと思うんですけどね。


僕は基本的に無宗教な人間ですが、
言霊という力は少しだけ信じています。
わりとネガティヴに物事をとらえてしまいがちなので、
言霊にぐらいはすがって、甘えて、
信じてみようと思ってます。
最後に交わした言葉が”またね”だったなら、
もう一度逢える日があると
本気で信じています。


昔の約束を思い出させてくれる本でした。


『白露に 風の吹きしく 秋の野は
 つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける』

QED 百人一首の呪 (講談社ノベルス)

QED 百人一首の呪 (講談社ノベルス)