『QED 東照宮の怨』
『QEDシリーズ』第4弾、『QED 東照宮の怨』。
今作はタイトル通り日光東照宮の謎に、
三十六歌仙絵巻と『かごめ歌』がちょろっと絡んできます。
実は僕は日光東照宮には行ったことがありません。
修学旅行の定番なのにねぇ。
日光東照宮=徳川家康となると、黒幕として必ず出てくるのが
怪僧、南光坊天海。
ファンタジー的な要素の入った日本史物の中では、
森蘭丸と並んで黒幕率の高いキャラクターではないでしょうか。
怪僧というとグリゴリー・ラスプーチンも良く出てくるかな。
日本史じゃないけど。
家康を神君として祀った霊廟、東照宮に
天海が込めたもう一つの意味。
その意味そのものについては、まぁ、納得できたんですが、
なぜ”あの”天海がそこまで生まれ故郷にこだわったのか、
生まれ故郷に興味の持てない僕には、
その部分がどうしても理解できませんでした。
とりあえず、家康ごときに”神”になられても困るのですが。
古泉にいたっては”神”扱いだ。
また、余計なことを書いてしまいましたが、
今回も面白いお話でした。
ただやっぱり、この『QEDシリーズ』を読むたびに
毎回感じていることですが、
殺人事件はいらないでしょう。
それが無くても、
しっかりミステリーの体を成してると思うんですけどねぇ。
まずは一度、東照宮に行ってみないとね。
『何度も言うように、東照宮は聖域なんだ。
家光と天海が張った結界だ、
そこは、何重にも、呪で塗り固められている』
- 作者: 高田崇史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/01/10
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ダイイングメッセージってありますよね。
ミステリーのお約束。
この『QED 東照宮の怨』の中にもあります。
ですが……
死の間際、自分を殺した人間の名前を告げるときに、
普段、使ってもいないあだ名で呼びますかねぇ。
ストレートに書くと消されちゃう、
という可能性を考慮したのかもしれませんが。
僕の好きな漫画に『孔雀王』という作品があります。
その中のエピソードの一つに
織田信長が悪霊として甦る、というお話がありました。
第六天魔王、信長。
その、甦った信長に殺された兵士の一人が、
元凶が信長であることを伝えるために、
ダイイングメッセージを残しました。
血糊で”あつもり”と。
それを見た仲間の台詞。
『あつもり、平敦盛を歌った幸若舞、
「人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり。」
この歌好んだ戦国武将がいる。
第六天魔王、信長だ。』
……”あつもり”って書くぐらいなら、
”のぶなが”って書いた方が解りやすくね?
文字数も一緒だし。
中学生の頃に抱いた疑問を
久しぶりに思い出しました。