『QED 東照宮の怨』

QEDシリーズ』第4弾、QED 東照宮の怨』
今作はタイトル通り日光東照宮の謎に、
三十六歌仙絵巻と『かごめ歌』がちょろっと絡んできます。


実は僕は日光東照宮には行ったことがありません。
修学旅行の定番なのにねぇ。


日光東照宮=徳川家康となると、黒幕として必ず出てくるのが
怪僧、南光坊天海。
ファンタジー的な要素の入った日本史物の中では、
森蘭丸と並んで黒幕率の高いキャラクターではないでしょうか。
怪僧というとグリゴリー・ラスプーチンも良く出てくるかな。
日本史じゃないけど。


家康を神君として祀った霊廟、東照宮
天海が込めたもう一つの意味。
その意味そのものについては、まぁ、納得できたんですが、
なぜ”あの”天海がそこまで生まれ故郷にこだわったのか、
生まれ故郷に興味の持てない僕には、
その部分がどうしても理解できませんでした。
とりあえず、家康ごときに”神”になられても困るのですが。


古泉にいたっては”神”扱いだ。


また、余計なことを書いてしまいましたが、
今回も面白いお話でした。
ただやっぱり、この『QEDシリーズ』を読むたびに
毎回感じていることですが、
殺人事件はいらないでしょう。
それが無くても、
しっかりミステリーの体を成してると思うんですけどねぇ。


まずは一度、東照宮に行ってみないとね。


『何度も言うように、東照宮は聖域なんだ。
 家光と天海が張った結界だ、
 そこは、何重にも、呪で塗り固められている』


QED 東照宮の怨 (講談社ノベルス)

QED 東照宮の怨 (講談社ノベルス)


ダイイングメッセージってありますよね。
ミステリーのお約束。
このQED 東照宮の怨』の中にもあります。
ですが……
死の間際、自分を殺した人間の名前を告げるときに、
普段、使ってもいないあだ名で呼びますかねぇ。

ストレートに書くと消されちゃう、
という可能性を考慮したのかもしれませんが。

僕の好きな漫画に『孔雀王』という作品があります。
その中のエピソードの一つに
織田信長が悪霊として甦る、というお話がありました。
第六天魔王、信長。
その、甦った信長に殺された兵士の一人が、
元凶が信長であることを伝えるために、
ダイイングメッセージを残しました。
血糊で”あつもり”と。
それを見た仲間の台詞。
『あつもり、平敦盛を歌った幸若舞
 「人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり。」
 この歌好んだ戦国武将がいる。
 第六天魔王、信長だ。』


……”あつもり”って書くぐらいなら、
”のぶなが”って書いた方が解りやすくね?
文字数も一緒だし。


中学生の頃に抱いた疑問を
久しぶりに思い出しました。