『パララバ』

このパララバ、'08年の電撃小説大賞の金賞受賞作です。
ちなみにこのときの大賞受賞作は以前にこのBLOGにも書いた
アクセルワールド』という作品です。


表紙裏にあったあらすじを引用させていただきます。


遠野綾は高校二年生。
平凡な日々を送る彼女の一番の幸せは、
部活を通して知り合った他校の男子生徒、
村瀬一哉と毎日電話で話すことだった。
何度も電話をするうちに、
互いを友人以上の存在として意識し始めた二人だったが、
夏休みの終わりに一哉は事故死してしまう。
本来であれば、二人の物語はそれで終わったはずだった。
しかし一哉の通夜の晩、綾のもとに一本の電話がかかる。
電話の主は死んだはずの一哉。
そして戸惑う彼女にその声は告げた。
死んだのはお前の方ではないのかと…。


もう、これだけで持ってかれました。


”電話が繋ぐパラレル・ラブストーリー”
というコピーもありました。


どんな切ないラブストーリーを見せてくれるのだろうと、
わくわくしながら読み始めたんですが…う〜ん。


二人ともあっさり状況を受け入れちゃってるんです。
パラレルワールドの村瀬一哉側の世界では、
遠野綾は殺されているんですが、
その犯人を二人で突き止めようとするんです。


死んだはずの自分が好きだった人から
電話がかかってきたんだよ?
会ったことも無かったんでしょ?
他にやることがあるでしょう、君たち。
お互い生きてたって、
声を聞くことすらできなくなったりするんだよ。


ミステリーなんて絡めず、
徹頭徹尾ラブストーリーで押して欲しかったなぁ。


電話でしか伝えられない愛。


ものすごく良い設定だと思うんだけどなぁ。


『「よかったね」
 「ああ。じゃ、一旦電話切るぞ。」』


パララバ―Parallel lovers (電撃文庫)

パララバ―Parallel lovers (電撃文庫)