『ソードアート・オンライン 1』

特になにか理由があるわけではありませんが、
僕は自分が好んで読んでいるシリーズや作家さんの作品でも
新刊の発売日をチェックして買う、
ということをほとんどしません。
なんで、たまたま近所の本屋さんで売り切れてたりすると
大好きなシリーズなのに続巻が出たことに
1ヶ月くらい気付かなかった、
なんてこともよくあります。
本屋さんにはしょっちゅう足を運んでいるので
見つけたときに買えばいいやと思っているのですが、
このソードアート・オンラインに関しては
もう発売が待ち遠しくて待ち遠しくて。
久しぶりに発売日をチェックして本屋さんに向かいました。


以前のエントリーに書いた『アクセルワールド』の川原礫氏が
WEB上で公開していた作品の文庫化です。


アクセルワールド』がめちゃめちゃ面白かったので
この作品にもとても期待してました。


表紙裏のあらすじを引用させていただきます。


クリアするまで脱出不可能、
ゲームオーバーは本当の“死”を意味する—。
謎の次世代MMO『ソードアート・オンライン(SAO)』の
“真実”を知らずにログインした約一万人のユーザーと共に、
その苛酷なデスバトルは幕を開けた。
SAOに参加した一人である主人公・キリトは、
いち早くこのMMOの“真実”を受け入れる。
そして、ゲームの舞台となる巨大浮遊城『アインクラッド』で、
パーティーを組まないソロプレイヤーとして
頭角をあらわしていった。
クリア条件である最上階層到達を目指し、
熾烈な冒険を単独で続けるキリトだったが、
レイピアの名手・女流剣士アスナの強引な誘いによって
彼女とコンビを組むことに。
その出会いは、キリトに運命とも呼べる契機をもたらし—。


世界観を『アクセルワールド』と共有しているみたいです。
脳に直接情報を送り込み、
完全なヴァーチャルリアリティの中でのオンラインゲーム。


僕はオンラインゲームには手を出したことは無いのですが、
こんなものが本当にあったら、
僕みたいなゲーマーは間違いなく廃人になるでしょう。
でも、絶対に手を出すと思います。
そう思えるくらい、この作品の設定・世界観は魅力的でした。


なんですが……
お話そのものはちょっとご都合主義に過ぎるというか、
あまりにもあっさりし過ぎている感が。


自分と自分の愛する人を殺そうとした人間を
そんなに簡単に許せるものなのか?


他にも、主要キャラがみんな高校生なんですが、
話し方や振る舞いがどうにもそうは見えなかったり、
そのくせ簡単に結婚とか云いだしたり。
(いや、高校生だから……なのかな。)
とらドラ!』もそうでしたが、
最近は恋愛が軽くなってしまったせいか、
結婚という形に持って行かないと
想いの強さ・重さが表せないんですかね。


僕の好きな大塚英志という評論家が著書の中で
”最近は設定や世界観を作るのだけが上手い人ばかりで、
 お話を書ける人が少ない”
というようなことを書いていましたが、
まさにその通りだと思います。


期待が大きかった分、
自分でハードルを上げてしまった感がありますが、
それでも買った当日に一気に読了してしまうぐらい
面白い作品ではありました。
ゲーマーにとっては否が応にも燃えるお話です。


秋には『ソードアート・オンライン 2』が、
6月には『アクセルワールド』の2巻が発売されるそうです。
新人作家としては異例のスピードですが、
懲りずに思いっきり期待して待とうと思います。


『これは、ゲームであっても遊びではない』


ソードアート・オンライン1アインクラッド (電撃文庫)

ソードアート・オンライン1アインクラッド (電撃文庫)


『SAO』を作ったプログラマー茅場晶彦
劇場版パトレイバー帆場瑛一に見えて仕方なかったのは
僕だけじゃないはず。


”狂気の天才プログラマー


この二つ名だけで、そこにしびれる、憧れる。