『ストレイト・ジャケット』


ストレイト・ジャケットの劇場版アニメについてを
wikiで調べていたら
短編集2冊を読んでいないことに気付き、
買ったものの読んでなかった最新巻、9巻と
まとめて読んでみました。


最近、シナプスの機能低下をひしひしと感じる僕の脳が
前巻までの内容をなかなか思い出してくれず、
先に読み返しておけば良かったかなと思いましたが、
相変わらずの面白さにグイグイ引き込まれ、
3冊一気に読了してしまいました。


子供の頃からファンタジーを読み漁り、
”魔法使い”とか聞くと
脊髄反射で反応してしまう僕ですが、
とりわけ好きなのが
作品の中で”魔法”というもののシステムが
理論的に明確になっている設定にものすごく惹かれます。
どうやって”魔法”を使うのか、
どうして”魔法”が使えるのか、
童貞のまま30歳を過ぎたら、なんて理由ではなく
それが作品の中でちゃんと理に適っているものが好きです。


その点において、ストレイト・ジャケットは完璧です。
彼ら”魔法使い”が戦うべき敵である”魔族”の
”魔法の使い方を誤った魔法使いのなれの果て”
という設定も完璧。パーフェクツ。
巻末の設定集だけでご飯3杯は食べれます。


そして、その設定の上に成り立つ
ハードボイルドなキャラクター達。
(萌えキャラ的存在もいないわけでないのですが)
ともすれば”暗い”と評されそうなお話でもありますが、
キャラの魅力がお話を輝かせています。


もちろん物語そのものも掛け値なしに面白い。
佳境に入り、そう遠くないであろうラストシーンに向けて
作者の榊一郎氏がどんな”魔法”を紡いでくれるのか、
これからも楽しみにしています。


『俺もそうだ。
 多分、誰だってそうなんだよ。
 最初はそうだったんだよ、アル坊や。
 最初からお前を全肯定して
 受け入れてくれる相手なんて、
 いやしないんだよ。』