『変ゼミ』

何度も書いていることですが、
僕はマンガを買いません。
では、マンガが嫌いかというと、
当然そんなことはなく、むしろ大好物です。
単純に、マンガまで買い始めると、
あっという間に財布の中身が無くなってしまうので、
心を鬼にして自重しているというだけの話です。


ですが、僕の心の鬼はそれほど屈強な鬼では無いことを
思い知らされる出来事がありました。


本屋さんの新刊コーナーに並んでいたマンガの帯に
こんなコピーを見つけました。


西尾維新、混乱!
 「読んでも読んでも変態だ…」”


最近、”西尾維新”の四文字を見つけると
それだけで漲ってしまう僕は、
思わず手に取り、さらに作者を知って呆然。
なんと、僕の中での西尾維新作品No.1、
『ぼくときみの壊れた世界』の絵師であるTAGRO氏のマンガでした。


ヤバイ。欲しい。買いたい。
この時点ですでに”心の鬼”は死に体。
K.O.も時間の問題かと思われたのですが、
手に取ったそれに”Vol.2”の文字が。
Vol.1も探したのですが見つからず、
”心の鬼”も息を吹き返しました。
が、ここで追い討ちが。
裏表紙側の帯にこんな文が。


TAGRO「えっまた西尾さんに頼んだんですか!?」
 担当 「快諾でしたよ。
     大体1巻が売れたのは西尾さんの帯のお陰ですから」
 TAGRO「西尾さんも嫌だったら嫌って言っていいんですよ…
     パブリックイメージってものが…」
 担当 「快諾だって言ってるじゃないですか」”


この時点で鬼、敗北。
普段行かない、勝手のわからないコミックコーナーを探しまくり、
2冊セットで購入してしまいました。
マンガを買ったのは3年ほど前に古本屋さんで
人類ネコ科』を買って以来でした。


で、うちに帰って早速読んでみたのですが、
まぁびっくりするぐらい変態三昧。
下ネタでもエロ本でもなく、純粋に変態。
失笑と爆笑の中間にドン引きを加えたような印象でした。


しかし、よくこんなこと思いつくよなぁ。
僕の友人に自他共に認める変態が二人ほどいるのですが、
このマンガの登場人物に比べればかわいいもんだ。
セックスとバイオレンスに対する人間の想像力には
本当に驚かされます。


面白いマンガだったのですが、
好きな絵(というか思い入れのある絵)をこういう内容で見るのは…
初恋の女の娘の口からエロ話を聞いてしまった的な
ちょっと複雑な気分です。


『「了解を得て撮るのは盗撮って言わないだろ〜〜?」
 「なッ!?最初からわたしの撮る気だったんですか!?」
 「当たり前じゃん
  それなのに友達を売るなんて
  とんだ女狐オン・ザ・ランだなぁ」』


変ゼミ(1) (モーニング KC)

変ゼミ(1) (モーニング KC)

変ゼミ(2) (モーニング KC)

変ゼミ(2) (モーニング KC)


3年ぶりに買ったマンガが変態マンガ。
僕も充分……いや、なんでもないです。