『アクセル・ワールド(2)』


今月は発売日が待ち遠しかった本が2冊もあります。
そのうちの1冊、アクセル・ワールドの第2巻。
大き過ぎる期待は大きな失望を産むのもわかっているのですが、
あれだけ1巻が面白いと、
どうしても期待値は大きくなってしまいますよね。


Amazonのあらすじを引用します。

黒雪姫との出会いにより、一回り成長したハルユキ。
そんな彼のもとに、
「お兄ちゃん」と呼ぶ見ず知らずの小学生・トモコが現れる。
二人のいちゃいちゃする様子を見た
黒雪姫の冷徹な視線がハルユキを貫く中、
「加速世界」では、謎の事件が勃発していた。
乗っ取られると精神を汚染され、
敵味方関係なくデュエルアバターを襲い続けるという
呪いの強化外装「災禍の鎧」。
殺戮を繰り返す狂気のアバターを捕らえることができるのは、
唯一の「飛行アビリティ」をもつデュエルアバター
「シルバー・クロウ」のみ。
「鎧」討伐ミッションを課されたハルユキの運命とは!?


本屋さんで裏表紙のあらすじを読んだときには、
なんかエロゲっぽい展開になってしまうのかと危惧しましたが
(いや、多少なってますが)
うん、期待を裏切らない面白さでした。


少しずつではあっても、
大切な人の為に強くなろうとする主人公・肉丸くんハルユキ。
ビルドゥングス・ロマンの王道であり、
ライトノベルの王道でもあるお話ですが、
だからこそモチベーションとしては
一番理解しやすいものではないでしょうか。


ハルユキ、黒雪姫、タクム、トモコ、そしてチェリー・ルーク。
登場人物それぞれの、
”子供らしい”強さと弱さ、意地と矜持がしっかりと描かれていて
彼らが成長していく過程を微笑ましく読ませてもらえました。


ゲームで得た強さや勇気で、現実を変えていく。
もちろん、ゲーム内の強さを自分の強さと勘違いして、
という意味ではありません。
ゲームの部分を漫画、小説に置き換えても成り立つと思います。
虚構の中で得た物が虚構とは限らない。
そうやって積み重ねていく経験だって経験である、ということです。


まだまだ続きそうなアクセル・ワールド』シリーズ
登場キャラも増え、チュートリアルも終わってこれからが本番。
完結していない物語の続きを待つのは大の苦手なのですが、
楽しみにしています。


『……僕は……強く……なりたいんだ。
 それだけなんだ…。』


アクセル・ワールド〈2〉紅の暴風姫 (電撃文庫)

アクセル・ワールド〈2〉紅の暴風姫 (電撃文庫)